キャンプの夜を彩る「ランタン」。
サイト全体を照らすメインランタンから、テーブルを優しく灯すサブランタンまで、その役割は多岐にわたります。
しかし、いざ選ぼうとすると「LEDとガス、どっちがいいの?」「明るさの目安は?」「種類が多すぎて選べない」と悩んでしまう方も多いでしょう。
ランタン選びの失敗は、夜のキャンプの快適さを大きく左右します。
この記事では、キャンプの必需品であるランタンの選び方の知識から、厳選した「種類別(LED・ガス・ガソリン/オイル)のおすすめランタン」を、徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたのキャンプスタイルに最適な、ランタンが必ず見つかります。
そもそもキャンプにランタンはなぜ必要?

キャンプにおいてランタンは絶対に必要なアイテムです。
- 安全性
夜のキャンプ場は想像以上に暗闇です。
足元のロープやペグ、木の根などに気づかず転倒する危険があります。
サイト全体を照らす明るいランタンは、安全確保の第一歩です。 - 利便性
暗闇での料理、食事、荷物の整理、トイレへの移動など、明かりがなければ不便であることは容易に想像できます。
そのため両手がフリーな状態での作業を可能にするランタンは必須です。 - 雰囲気
ランタンの灯りは、キャンプの夜を特別なものに変えてくれます。
焚き火の炎とはまた違った、暖かく落ち着いた光が、仲間や家族との大切な時間(とき)を演出します。
【まずはコレ】ランタンの「種類」を徹底解説(メリット・デメリット)
ランタン選びは、まず「燃料・電源の種類」を決めることから始まります。
それぞれの特徴を理解し、自分のスタイルに合うものを見つけましょう。
LEDランタン:安全・手軽・多機能の決定版

- 特徴
電池やバッテリーで点灯する、現代の主流タイプ。 - メリット
- 絶対的な安全性:火を使わないため、火事や一酸化炭素中毒のリスクがゼロ。小さなお子様やペットがいるファミリーキャンプでも安心です。
- テント内OK:テント内で使えるのはLEDだけです。
- 手軽さ:スイッチひとつで点灯。メンテナンスも不要です。
- 多機能:調光、調色、スマホ充電など、モデルが豊富です。
- デメリット
- 雰囲気:モデルによっては、ガスやガソリンの「炎の揺らぎ」のような情緒は出にくいです。
- 電池/充電:電池切れや充電忘れに注意が必要です。
ガスランタン:雰囲気重視派の王道

- 特徴
専用のガスカートリッジ(OD缶/CB缶)を燃料にします。 - メリット
- 抜群の雰囲気:「ボーッ」という燃焼音と、暖かみのある光がキャンプの夜を演出します。
- 燃料の手軽さ:コンビニでも買えるCB缶(カセットボンベ)タイプと、アウトドアショップで買うOD缶タイプがあります。
- デメリット
- 安全面:テントやタープ内での使用は厳禁です。一酸化炭素中毒の危険があり、大変危険です。
- マントルの破損:発光体である「マントル」は衝撃に弱く、運搬中に破れることがあります(予備必須)。
ガソリン・オイルランタン:ベテランキャンパーの憧れ

- 特徴
ホワイトガソリン、灯油(ケロシン)、パラフィンオイルなどを燃料にします。 - メリット
- 圧倒的な光量:特にガソリン・加圧式灯油ランタンは、サイト全体を真昼のように照らせるモデルも。
- 低温に強い:気温が低い冬キャンプでも安定した光量を維持できます。
- コストと雰囲気:オイルランタンは燃料費が安価で、独特のレトロな雰囲気を楽しめます。
- デメリット
- 手間:ポンピング(加圧)やプレヒート(余熱)といった準備が必要で、慣れるまで時間がかかります。(一部モデル)
- 安全面:テント内使用厳禁です。
- メンテナンス:定期的なメンテナンスが必須で、上級者向けです。
初心者の方にはまず「LEDランタン」を強くおすすめします。
火を使わない安全性と、テント内でも使える利便性は圧倒的です。
メインとサブ、両方LEDでも全く問題ありません。
【最重要】キャンプランタン選びで失敗しない4つのポイント

ランタンの種類を決めたら、次に以下の4つのポイントで絞り込んでいきましょう。
1. 使用シーンと明るさ(ルーメン)で選ぶ
ランタンの明るさは「ルーメン(lm)」という単位で表されます。
必要な明るさは、使う場所によって異なります。
- メインランタン(サイト全体):1,000ルーメン以上
サイト全体を広範囲に照らすための、最も明るいランタン。
ランタンスタンドなどに吊るして高い位置から照らします。 - サブランタン(テーブル・テント内):100〜300ルーメン程度
食卓を照らしたり、テント内で使ったりするための小型ランタン。
眩しすぎず、手元をしっかり照らせる明るさが最適です。
2. 点灯時間で選ぶ
「使いたい時に電池・燃料切れ」は最悪の事態です。
一泊二日のキャンプ(夕方~就寝まで約5~6時間)を想定し、最大光量で最低でも6~8時間以上は点灯するモデルを選ぶと安心です。
LEDの場合は、バッテリー容量(mAh)も確認しましょう。
3. 機能性(調光・調色・防水など)で選ぶ
特に最近のLEDランタンは多機能です。
- 調光機能: 明るさを無段階(または段階的)に調整できる機能。就寝時は暗くするなど、シーンに合わせて使えます。
- 調色機能: 光の色を「昼白色(白っぽい光)」と「電球色(オレンジっぽい光)」に切り替えられる機能。食事や作業中は昼白色、リラックスタイムは電球色と使い分けると便利です。
- その他: モバイルバッテリー機能、防水機能(IPX〇)、吊り下げフックの有無などもチェックポイントです。
4. デザイン・雰囲気で選ぶ
特にガスランタンやオイルランタンは、サイトの雰囲気を決める重要な要素です。クラシックなデザイン、レトロなデザインなど、自分のサイトのテイストに合ったものを選びましょう。愛着が湧くお気に入りのデザインを選ぶことも、キャンプの満足度を上げるコツです。
【種類別】最強キャンプランタンおすすめ厳選9選
数々のランタンを試してきたプロが、3つの種類別に「これを買えば間違いない」というおすすめランタンを、それぞれ3つずつ厳選してご紹介します。
LEDランタン
① GENTOS EX-1300D

迷ったらコレ。全キャンパーの「安心」を照らす、大光量LEDの王様
最大1300ルーメンの大光量で、ファミリーサイト全体を余裕でカバー。
光の色を3色(白・ナチュラル・暖色)に切り替えられ、シーンを選びません。
電池式(単1)で、いざという時も安心。
ハンドル付きで吊り下げも可能。「最初のメインランタン」として、これ以上ない選択肢です。
② LUMENA LEDランタン LUMENA2

サイトを照らす洗練された光。デザインとパワーを両立した、大容量モバイルバッテリー
洗練されたデザインとコンパクトさで大人気の充電式LEDランタン。
最大1500ルーメンとメインランタンとしても十分な明るさを誇ります。
大容量バッテリー(10,000mAh)を搭載し、スマホへの充電も可能。
防水・防塵機能も備え、防災用品としても非常に優秀です。
③ Goal Zero Goal Zero LEDランタンLIGHTHOUSE MICRO FLASH

手のひらの灯台。ソロキャンパーの夜を導く、小さな巨人
ソロキャンパー御用達、コンパクトLEDの金字塔。
手のひらサイズながら最大150ルーメン(ランタンモード)と十分な明るさ。
フラッシュライト(懐中電灯)にもなります。
USB充電式で、雰囲気のある暖色系の光が魅力。品薄が続くほどの超人気モデルです。
ガスランタン
① Coleman ルミエールランタン

まるでキャンドルのように。テーブルを彩る、揺らめく炎の魔法
マントル(発光体)を使わず、直接炎が揺らめくユニークなガスランタン。
光量はあまりありませんが、食卓に「灯り」を添えるアイテムとして最高です。
ガス缶(OD缶)に直接取り付けるだけの手軽さで、ロマンチックな夜を演出します。
② Snow Peak ギガパワーランタン 天 オート

手のひらに乗る、本物の灯火。スノーピークと旅する、ミニマムな夜
ソロキャンプで「雰囲気も重視したい」ならコレ。
非常にコンパクトながら、ガスならではの暖かい光でテーブルを照らします(80W相当)。
スノーピークらしい洗練されたデザインとチタン製の頑丈さも所有欲を満たしてくれます。
③ SOTO 虫の寄りにくいランタン

虫よけも、明るさも。CB缶で完結する、実用派メインランタン
虫が寄り付きにくい「オレンジ色の光」を放つ、実用性に特化したガスランタン。
安価なCB缶(カセットボンベ)が使える経済性も魅力です。
リフレクター(反射板)付きで、光を効率よく前方に集めることも可能。
ファミリーサイトのメインとしても活躍します。
ガソリン / オイルランタン
① Coleman ワンマントルランタン

世代を超えて受け継がれる「赤い」信頼。冬キャンプの夜を照らす、絶対的エース
「キャンプのランタン」といえば、この赤いガソリンランタンを思い浮かべる人も多いはず。
約130W相当の大光量と、冬の寒さにも負けない安定感が魅力。
ポンピングという準備も含めて、キャンパーを魅了し続ける不朽の名作です。
② FEUERHAND 灯油ランタン ベイビースペシャル276 ジンク

100年変わらない、本物の温もり。静かな夜に寄り添う、オイルランタンの原点
ドイツ生まれのハリケーンランタン。
明るさは控えめすが、本物の炎が揺らめく姿は他の何にも代えがたい魅力があります。
燃料のパラフィンオイルは安価で扱いやすく、初心者でも安心。
「雰囲気」を求めるサブランタンとして最適です。
③ Petromax HK500

光の”暴君”か、”王様”か。サイトを真昼に変える、加圧式灯油ランタンの最高峰
世界で最も有名な加圧式灯油ランタン。
その光量は400W相当と、他のランタンを圧倒します。
「ボーッ」という力強い燃焼音と、真鍮製の輝くボディはまさに芸術品。
メンテナンスは必須ですが、キャンパーなら一度は憧れる「最強」の一台です。
安全にランタンを使うための注意点
ランタンは便利ですが、使い方を誤ると重大な事故につながります。
- 【最重要】ガス・ガソリン・灯油ランタンはテント内で絶対に使用しない
一酸化炭素(CO)中毒は、無味無臭で非常に危険です。
就寝中にテント内で使用すると、最悪の場合、命を落とします。
タープ下など風通しの良い屋外でのみ使用してください。 - 一酸化炭素チェッカーを併用する
冬キャンプなどでスクリーンタープ内で暖房器具(薪ストーブなど)を使う際は、ランタンの種類に関わらず、必ず「一酸化炭素チェッカー」を複数設置してください。 - 予備のマントル・燃料・電池を忘れずに
ガスランタンのマントルは非常にデリケートです。
予備を必ず携行しましょう。
LEDランタンも予備の電池やモバイルバッテリーを忘れずに。
キャンプランタンに関する Q&A
よくある質問をまとめました。
Q1. メインランタンの明るさは、本当に1000ルーメンも必要ですか?
A1. はい、必要です。
特にファミリーキャンプやグループキャンプで、8人用のタープ全体を照らす場合、1000ルーメンは最低ラインとなります。
暗いと料理や設営でストレスを感じます。
逆にソロキャンプで小さなタープであれば、300~500ルーメン程度でも十分な場合があります。
Q2. ガス缶の「CB缶」と「OD缶」って何が違いますか?
A2. CB缶(カセットボンベ)は、家庭用カセットコンロで使う細長い缶です。安価でコンビニでも手に入りますが、寒さに弱いのが欠点です。 OD缶(アウトドア缶)は、キャンプ用に作られた丸く背が低い缶です。寒冷地仕様のガスもあり、冬キャンプでも安定した火力を供給できますが、CB缶より高価です。
ランタンやバーナーによって使用できる缶が決められているため、必ず確認してください。
Q3. LEDランタンの光の色は「白色」と「暖色」どちらがおすすめ?
A3. 「暖色(電球色)」または「調色機能付き」をおすすめします。
白色(昼白色)は作業するには明るく見やすいですが、キャンプの雰囲気にはあまり馴染みません。
暖色(オレンジ系の光)は、リラックス効果が高く、料理も美味しそうに見え、キャンプの雰囲気を壊しません。
「調色機能」で両方切り替えられるモデルが最強です。
Q4. ランタンスタンドは必要ですか?
A4. メインランタン用には「必要」です。
ランタンは、低い位置に置くと影ができてしまい、広範囲を照らせません。
ランタンスタンドやポールを使って高い位置(理想は2m前後)から吊るすことで、サイト全体を効率よく照らすことができます。
まとめ:あなたに最適なランタンで、最高の夜を。

キャンプランタンは、単なる「明かり」ではなく、キャンプの夜の「体験」そのものを創り出す主役です。
- 初心者、ファミリー:まずは安全・手軽な「LEDランタン」を。
- 雰囲気重視派:ガスランタンやオイルランタンで「炎」の揺らぎを。
- ソロキャンパー:軽量・コンパクトさを最優先に。
- 共通:メイン(1000lm以上)とサブ(300lm程度)の2種類を使い分ける。
この記事を参考に、あなたのスタイルにぴったりの「相棒」となるランタンを見つけて、安全で快適な、そして雰囲気のあるキャンプの夜をお過ごしください。
