キャンプの夜、パチパチと音を立てて燃える炎。
揺らめく炎を囲んで仲間と語りあったり、家族でマシュマロを焼いたり、あるいは一人で静かに火を眺めたり…。
「焚き火」はキャンプの最大の魅力であり、主役とも言える存在です。
その「焚き火」を楽しむための必須アイテムが「焚き火台」です。
しかし、いざ焚き火台を選ぼうとすると、「種類が多すぎる」「自分に合うものがわからない」と悩んでしまう方も多いはず。
この記事では、
- 失敗しない焚き火台の選び方
- キャンパーなら誰もが知るおすすめ焚き火台5選
を、分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたのキャンプスタイルに最適な「一生モノの相棒」がきっと見つかります。

【初心者必見】失敗しない焚き火台の選び方 5つのポイント
「おすすめ」を紹介する前に、まずは「選び方」の基準を知ることが重要です。
以下の5つのポイントで、ご自身のキャンプスタイルを想像しながらチェックしてみてください。

1. 利用人数(サイズ)で選ぶ
最も重要なポイントです。
- ソロ(1人)~デュオ(2人):コンパクトな小型モデル
- ファミリー(3人~5人):複数の薪をくべられる中型~大型モデル(今回紹介するのはココが中心)
- グループ(6人以上):炎を全員で囲める大型モデル
「大は小を兼ねる」と考えがちですが、大きすぎると「車に積めない」「薪の消費が激しい」というデメリットも。
まずは「主に何人で行くか」を基準に選びましょう。
2. 「何をしたいか」で選ぶ(機能性・形状)
焚き火台で「何をしたいか」で、選ぶべき形状が変わります。
- 焚き火も料理(BBQ)も楽しみたい(万能型)
多くの人がこれに該当します。
網やゴトク(鍋敷き)が付属・別売で用意されており、焚き火も調理も一台で完結できるタイプです。 - 焚き火を美しく鑑賞したい(観賞・暖房型)
「料理は別コンロでやる」と割り切り、炎の美しさや暖かさを重視するタイプ。
薪が組みやすく、燃焼効率が良いものが多いです。 - とにかく手軽に始めたい(設営・撤収重視型)
設営・撤収が簡単なモデル。
パーツが少ない、ワンタッチで開く、といった特徴があります。
3. 素材で選ぶ(重さと耐久性)
焚き火台の主な素材は2種類。特徴が全く異なります。
- ステンレススチール
- メリット:錆びにくく、手入れが比較的カンタン。軽量なモデルも多い。
- デメリット:熱による変色(“焼き色”として楽しむ人も多い)が起きやすい。
- 鉄
- メリット:非常に頑丈。熱に強く、歪みにくい。使い込むほど味が出る。
- デメリット:重い。手入れを怠ると「赤サビ」が発生する。
車でのオートキャンプが前提なら、手入れが楽な「ステンレス」がおすすめです。
4. 持ち運びやすさ(収納サイズ・重量)
オートキャンプ(車)か、徒歩・バイクか。そして「車の積載スペースに余裕があるか」で考えます。
- 重量:5kgを超えると「重い」と感じ始めます。10kg近いモデルも。
- 収納:「薄く平たくなる」タイプか、「筒状・箱状にまとまる」タイプか。車の隙間に入れやすいのは「薄く平たくなる」タイプです。
5. 後片付けのしやすさ(メンテナンス性)
見落としがちなのが「灰の捨てやすさ」。
焚き火台の底に「灰受け」があるか、本体が洗いやすい構造か、などもチェックしましょう。
【徹底比較】定番・人気のおすすめ焚き火台5選
お待たせしました。
上記の「選び方」を踏まえ、定番中の定番、おすすめ焚き火台5選を徹底的に比較・解説します。
1. 焚火台 L(Snow Peak)|“育てる”楽しみ。キャンパーの最終到達点

焚き火台といえばコレ
スノーピークを象徴する、まさに「王道」の焚き火台です。
非常に厚いステンレス鋼を使用し、その圧倒的なタフさが特徴。
逆ピラミッド型のデザインは燃焼効率が高く、美しい炎を立ち上げます。
オプションパーツが非常に豊富で、「焚火台 グリルブリッジ L」を使えばBBQ、「焚火台 L コンプリート収納ケース」を使えば持ち運びもスマートに。
開いて置くだけのシンプルな設営も魅力です。
- こんな人におすすめ
- 「どうせ買うなら一生モノ」が欲しい人
- 重厚感・堅牢性を最優先する人
- スノーピークの世界観が好きな人
- 注意点
- 重い。本体だけで5.5kg。オプションを足すと10kg近くなります。
- 本体だけでは料理がしにくいため、オプション(グリルブリッジ等)の追加購入が前提となり、高価になりがち。
| スペック | 詳細 |
| メーカー | スノーピーク (Snow Peak) |
| 商品名 | 焚火台 L |
| サイズ | 455×455×315(h)mm |
| 収納サイズ | 560×640×32mm |
| 重量 | 5.5kg |
| 素材 | ステンレス |
| 推奨人数 | 3~5人 |
2. LOGOS the ピラミッドTAKIBI L(LOGOS)|料理も楽しむ万能「カマド」スタイル

「料理も焚き火も、欲張りに楽しむ」
ロゴスの大ヒット商品。
最大の特徴は、標準装備されている「ゴトク」です。
このゴトクのおかげで、ダッチオーブンやケトルを安定して置くことができ、「焚き火料理」の幅が格段に広がります。
パーツは全て重ねて収納でき、A4サイズほどのコンパクトな収納バッグに収まります。
設営も1分程度で完了する手軽さも人気の秘訣。
- こんな人におすすめ
- 焚き火「料理」をメインに楽しみたい人
- ダッチオーブンを使いたい人
- 収納がコンパクトなものを探している人
- 注意点
- パーツが細かく分かれるため、設営・撤収時にパーツを失くさないよう注意。
- ゴトクが火を遮るため、純粋な「焚き火の鑑賞」としてはスノーピークに一歩譲る側面も。
| スペック | 詳細 |
| メーカー | ロゴス (LOGOS) |
| 商品名 | LOGOS the ピラミッドTAKIBI L |
| サイズ | 約39×38.5×28cm |
| 収納サイズ | 約41×26×8cm |
| 重量 | 約3.1kg |
| 素材 | ステンレス、スチール |
| 推奨人数 | 2~5人 |
3. ファイアーディスクマックス(Coleman)|設営3秒!初心者最強の手軽さ

「設営・撤収の手間をゼロに」
初心者キャンパーの「設営が面倒」「組み立てが不安」という悩みを一撃で解決するのが、コールマンのファイアーディスクです。
その名の通り「円盤(ディスク)」型で、3本の脚を開くだけで設営は約3秒で完了。
円盤状のくぼみが薪をしっかり受け止め、燃焼効率も抜群。
空気の通り道が多いため、火起こしが苦手な人でも簡単に火がつきます。
「マックス」はシリーズ最大の直径約60cmモデルで、大きな薪もそのまま豪快にくべられます。
- こんな人におすすめ
- とにかく設営・撤収をカンタンに済ませたい人
- 火起こしに自信がない初心者
- 大きな炎をダイナミックに楽しみたい人
- 注意点
- 収納が「円盤」のまま。薄くはなりますが、直径(約60cm)は変わらないため、車の積載スペースを意外と取ります。
| スペック | 詳細 |
| メーカー | コールマン (Coleman) |
| 商品名 | ファイアーディスクマックス |
| サイズ | 約φ60×23(h)cm |
| 収納サイズ | 約φ60×10(h)cm |
| 重量 | 約3.2kg |
| 素材 | ステンレス |
| 推奨人数 | 4~8人(大型) |
4. ファイアグリル(UNIFLAME)|コスパ最強。BBQコンロの「正解」

「BBQコンロと焚き火台、迷ったらコレ」
1990年代の発売以来、形を変えずに売れ続けている「超」ロングセラーモデル。
人気の理由は、圧倒的なコストパフォーマンスと万能性にあります。
「焚き火台」として十分な性能を持ちながら、標準で「焼き網」が付属しており、これ一台で完璧な「BBQコンロ」になります。
四方をステンレスの「炉」で囲む構造は、熱を効率よく反射して暖かく、また横風にも強いのが特徴です。
- こんな人におすすめ
- BBQと焚き火を「1台」で完結させたい人
- コストパフォーマンスを最重要視する人
- ダッチオーブン料理もしたい人
- 注意点
- 炉がやや浅いため、薪を多く積み上げると網に干渉しやすい。
- 灰が溜まると空気の通り道が塞がれやすいので、適度に灰をかく必要がある。
| スペック | 詳細 |
| メーカー | ユニフレーム (UNIFLAME) |
| 商品名 | ファイアグリル |
| サイズ | 430×430×330(h)mm |
| 収納サイズ | 380×380×70mm |
| 重量 | 約2.7kg |
| 素材 | ステンレス(炉・網)、スチール(スタンド) |
| 推奨人数 | 3~5人 |
5. ヘキサ ステンレス ファイアグリル(CAPTAIN STAG)|六角形が個性を出す多機能モデル

「多機能と手頃な価格を両立」
鹿のマークでおなじみ、キャプテンスタッグの定番モデル。
その名の通り「六角形(ヘキサ)」のデザインが特徴で、焚き火を囲みやすい形状です。
この製品の強みは、付属品の多さにあります。
BBQ用の「焼き網」、ゴトク、収納バッグまでが標準でセットになっており、買ったその日から焚き火もBBQも楽しめます。
今回紹介する5つの中では、比較的手頃な価格で手に入るのも魅力です。
- こんな人におすすめ
- 初期費用を抑えて、必要なものを一式揃えたい人
- 定番の四角形以外(六角形)のデザインが欲しい人
- 注意点
- 他の高価格帯モデルと比較すると、ステンレスがやや薄く、長年の使用で歪みが出やすい傾向があります。
- パーツ数がやや多めです。
| スペック | 詳細 |
| メーカー | キャプテンスタッグ (CAPTAIN STAG) |
| 商品名 | ヘキサ ステンレス ファイアグリル |
| サイズ | 約475×410×300(h)mm |
| 収納サイズ | 約570×470×60mm |
| 重量 | 約2.8kg |
| 素材 | ステンレス、鉄(脚部) |
| 推奨人数 | 3~5人 |
焚き火台ビギナーの「よくある質問」Q&A
最後に、焚き火台をこれから買う人が抱えがちな疑問に、Q&A形式でお答えします。
Q1. 焚き火台の「下」に敷くシートは必要?
A. 必須です。
焚き火台を使っても、高熱の「放射熱」や、燃え落ちた「灰」や「火の粉」によって、地面(芝生など)はダメージを受けてしまいます。
焚き火台の下には、必ず「焚き火シート(スパッタシート)」と呼ばれる不燃性・耐熱性のシートを敷いてください。これはマナーであると同時に、火災防止の観点からも重要です。

Q2. 焚き火台以外に、最低限必要なものは?
A. 以下の3点は最低限揃えましょう。
- 焚き火シート(上記参照)
- 火ばさみ(トング)
薪をくべたり、熱いゴトクを動かしたりするのに必須。長く、頑丈なものを選びましょう。 - 耐熱グローブ(革手袋)
焚き火台の設営・撤収時や、薪を扱う際の「やけど」から手を守ります。軍手は燃え移るのでNGです。
Q3. 後片付け・メンテナンスの方法は?
A. 基本は「灰を捨て、乾かす」ことです。
- 完全に鎮火させる
火が消えたことを確認します。(水をかけると本体が急激に冷えて歪む原因になるので、基本は「燃え尽きさせる」のがベストです) - 灰を処理する
キャンプ場の「灰捨て場」に、指定の道具(スコップなど)を使って捨てます。 - 汚れを落とす
本体が冷めたら、ブラシなどでススを落とします。水洗いは可能ですが、特に「鉄」素材の場合は、帰宅後にしっかり乾燥させないと錆びます。 - 保管
乾燥させた状態で、湿気の少ない場所に保管します。
まとめ:あなたに最適な「相棒」を見つけよう
今回は、初心者におすすめの定番焚き火台5選と、失敗しない選び方を解説しました。
- 王道の堅牢性、一生モノなら「 焚火台 L(Snow Peak)」
- 焚き火料理がメインなら「LOGOS the ピラミッドTAKIBI L(LOGOS)」
- 設営・撤収の手軽さ重視なら「ファイアーディスクマックス(Coleman)」
- BBQも焚き火も高コスパなら「ファイアグリル(UNIFLAME)」
- 初期費用を抑えて一式揃えたいなら「ヘキサ ステンレス ファイアグリル(CAPTAIN STAG)」
焚き火台は、あなたのキャンプの「中心」となる重要なギアです。
ご自身のキャンプスタイル(人数、料理の有無、車載スペース)を想像し、最適な「相棒」を見つけて、最高の焚き火ライフをスタートしてください。

