利益の高さだけで選ぶのは危険? プロが使う指標「シャープレシオ」で真の実力を見抜く

投資信託やETF(上場投資信託)を選ぶとき、多くの人が目論見書や比較サイトの過去1年間のリターンのランキングを見て判断しがちです。しかし、プロの投資家の世界では、リターンが高いという理由だけでその資産が優秀だと評価されることはありません。

なぜなら、その利益が「どれほどの危険(リスク)を冒して得られたものか」という視点が抜け落ちているからです。今回は、投資の質を測るための指標である「シャープレシオ」について解説します。

目次

1. 投資における「リスク(標準偏差)」の本当の意味

青い背景で、黄色い警告マークを虫眼鏡で覗き込んでいる様子

シャープレシオを理解する前に、金融の世界における「リスク」の定義を正確に知っておく必要があります。日常会話でのリスクは「危険性」や「損をすること」を指しますが、投資の世界では「リターンの振れ幅(標準偏差)」のことを指します。

  • 毎年きっちり+5%ずつ成長する資産 = リスクが低い(振れ幅が小さい)
  • ある年は+30%、翌年は-20%と乱高下する資産 = リスクが高い(振れ幅が大きい)

長期間にわたって複利で資産を増やす場合、この「マイナスに振れる波」が大きいほど、元本を取り戻すために必要なその後の労力が指数関数的に大きくなります(これをボラティリティ・ドラッグと呼びます)。

そのため、「いかに値動きのブレを抑えつつ利益を出すか」が極めて重要になるのです。

2. 効率の良さを測る「シャープレシオ」とは?

手に持たれた『Chance』と『Risk』と書かれた2枚のカード

そこで登場するのが、アメリカの経済学者ウィリアム・シャープが考案した「シャープレシオ」という指標です。計算式は少し専門的ですが、概念は非常にシンプルです。

シャープレシオ = (期待リターン - 無リスク金利) ÷ リスク(標準偏差)

簡単に言えば、「とっているリスク(振れ幅)1単位あたり、どれくらい効率よくリターンを稼ぎ出しているか」を示す通信簿のようなものです。

例えば、以下のような2つの投資信託があったとします。

  • ファンドA: リターン 10% / リスク 20% = シャープレシオ 0.5
  • ファンドB: リターン 8% / リスク 8% = シャープレシオ 1.0

表面的なリターンだけを見ればファンドAの方が魅力的に見えます。しかし、シャープレシオを見るとファンドBの方が数値が高くなっています。これは、ファンドBの方が「値動きのハラハラ感が少ない割に、効率よく利益を出している、質の高い運用をしている」ということを意味します。

一般的に、シャープレシオが「1.0」を超えていれば、非常に優秀なファンドだと評価されます。

3. 個人投資家がシャープレシオをどう活かすか

スマホで情報を調べながら、どのサービスを選ぶべきか迷っている・疑問に思っている女性のイメージ

自分でこの数値を計算する必要はありません。投資信託の月次レポート(マンスリーレポート)や、証券会社の銘柄比較画面を開くと、必ずと言っていいほどこの「シャープレシオ」や「標準偏差(リスク)」が記載されています。

新NISAなどで商品を選ぶ際、同じような投資対象(例えば米国株ファンド同士など)で迷った時は、単にリターンの数字だけを比べるのではなく、このシャープレシオを比較してみてください。 数値が高い方を選ぶことで、結果的に「暴落時の下落幅が相対的に小さく、精神的に長く持ち続けやすい資産」を手に入れる確率がグッと高まります。

まとめ

投資の成績は「どれだけアクセルを踏んだか(リターン)」だけでなく、「どれだけ安定した走行をしたか(リスク調整後リターン)」で評価されます。

「シャープレシオ」というレンズを通して市場を見ることで、表面的な派手なニュースに隠れた、真に実力のある投資先を見極められるようになります。週末のお時間がある時に、ご自身の保有している投資信託のレポートを開いて、その「効率性」を確認してみてはいかがでしょうか。

明日も、あなたの投資スキルを一段引き上げるための知識をお届けします。

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